「土づくり」から始まった地域資源の循環


 小清水で農業が始まったのは今から110年ほど前の事。開拓がすすみ、小清水の農地が整備されて行きました。昔はどの農家にも馬や家畜がいて、えんどう豆などが耕作されるなど、地力も輪作体系も余裕がありました。

 今から30年ほど昔、高度経済成長期に入ると日本の農業は近代化に向かいました。

小清水でも機械化・化学合成資材に頼った農業に進んだ結果、生産性は飛躍的に向上しました。そのうち機械化の進んだ作物へ作付体系が変化したり、畑作専業を目指し家畜がいなくなる農家も増えてきました。輪作体系は窮屈になり、堆肥の畑地還元も減ってゆきました。その中にあっても品種改良により生産量は維持拡大されましたが、いつしか新手の土壌病害などで作物の生育や品質に悪影響が出てきていると感じるようになりました。



 そこで私たちは思いました。土からの恵みを得るには土そのものを大事にしなくてはいけないと。そして、開拓時代から受け継ぐ「昔の大地」を取り戻そうと。


 町行政・普及センターと一体で「土づくり対策推進協議会」を立ちあげ、堆肥や緑肥の畑地還元の重要性と大豆作付を推進し、先進地もくまなく視察しました。

 そうした中、遠く四国から畑に有効な微生物を持ち帰り、それを家畜の尿の中で空気を送り込みながら培養することで、それまで貴重な資源ながら臭気の問題があった、家畜の尿を有効活用できるようになりました。私たちはこれを「ゆう水」と名付けました。これを堆肥の熟成や畑地還元に使うことで、全町的に堆肥づくり・土づくりが盛んになりました。同じく臭気に悩みながらも畑地還元していた澱粉工場の大量の排液もこの方式で軽減しました。

町内一円にわたる大きな循環型資源利用の芽生えです。


 その後、資源利用の研究を続ける中、でん粉工場から排出されるでんぷん粕の利用に画期的なことが起こります。それまで直接牛に食べさせたり、難儀しながらも堆肥化していたのですが、最小限の設備投資で、牛の大好きな乳酸発酵による飼料化をローコストで実現し、良質飼料を増産できるようになりました。限りある飼料面積で粗飼料をまかなっていた小清水には朗報であり資源循環は町ぐるみの大きな耕畜連携になりました。このころ大豆も徐々に浸透を見せ、輪作体系も改善されたことから「全町的安定生産」の体制は一層進展しました。

 一方、澱粉排液は気になる臭いをさらに抑えるべく調査研究を続けていました。そしてついに最新の「NKゆう水」と「じゃがいもたんぱく質」への変換法を開発。臭気改善と資源利用のプラスαにこぎつけたのです。

今、小清水式循環農業は一層の高度化が図られたと自負しています。私たちは持続的生産力の礎であるこしみずの「大地」を、こしみず由来のもので維持しているのです。

「こしみず式耕畜連携循環システム」とは… 詳しく読む

JAこしみずの取り組み

生産者と消費者を商品と情報で繋ぐため、生産・流通・保管・加工・販売などに関わる全ての仕組み作りと、これら情報の正確性を客観的に確認する事で、相互の信頼関係の強化をめざし、全農が情報の認証責任と商品の販売責任を担う事のできるルートが構築されたものを「全農システム」と称します。

JAこしみずでは、平成19年度より人参・ブロッコリー、平成21年度に玉葱の、現在3品目で加入している状況であり、毎年度、第3者による検査・審査が現地にて実施され、認証書が発行されています。
このような取組に関し、ユーザーからの評価も高く、今後、随時品目を増やして将来的には全品目加入を目指して参りたい。

平成21年産より、人参の栽培面積全体の約2割弱で、提携先の生協の独自基準に基づいた特別栽培の取組が開始されました。肥料・農薬が慣行栽培の概ね50%以下という条件の中、各圃場への看板設置など、人参部会として取組みました。

また、特栽ではありませんが、ブロッコリー部会全部員及び、玉葱部会の一部会員によるyesクリーンの取組が実施されています。今後このような減肥・減農薬への取組が、他の品目でも実施できるよう各部会を中心に検討を進めて参ります。

にんじんPDF

平成6年頃より、JA全農青果センター(株)との取引がきっかけとなり、コープネット事業連合、生活クラブ連合会、パルシステムなど、国内大手の生協との取引がなされております。それぞれ、「ゆう水栽培」を基調とした土づくりによる資源循環型農業の確立とクリーン農業の推進による特徴的な栽培により生産された青果物として、安全・安心をモットーに販売されております。
特に、生活クラブ連合会との取引に於いては、提携産地となっており、要改善農薬の削減など、様々な課題解決に向けた連携方針に基づく活動推進への全国的なけん引役として「コア産地」に位置づけられています。

部会名 発足日 部会の取り組み
部会員数
じゃがいも 平成8年3月22日

じゃがいも部会は、生食用とポテトチップス用のじゃがいもを作っている生産者で構成している組織です。
部会では当地に適した品種を選定する為、全農営農技術センターと共同で品種の比較試験を実施しております。
また、生産者を対象に栽培技術講習会や品質目慣らし講習会を行い品質の統一を図っております。

50名
牛蒡 昭和61年2月25日 ごぼう部会では、秋収穫は8月下旬から12月下旬、春収穫は4月下旬から出荷を行っており、安定して長期に渡りお届け出来るように取組んでいます。
長期間の輪作体系をとり、また、畑を厳選して風味豊かなごぼうの栽培をしています。また、生産者を対象とした栽培技術講習会を実施し、栽培技術の向上に取組んでいます。
70名
アスパラ 昭和62年2月17日
アスパラ部会は、地元小学生の収穫体験・撰果場見学の食育活動を受け入れるなど、生産・販売以外でも活躍を見せる部会です。
オホーツク海側の特徴である昼夜の寒暖差を利用し、また、土づくりでは良質なたい肥をたくさん投入し、柔らかく甘くておいしいアスパラを栽培しています。
49名
人参 昭和59年7月6日 人参部会では、栽培熱意の高い人たちの集まりで栽培研究サークルを作っており、小清水町に適した品種の選定や栽培法の確立に向け取り組んでいます。
また、平成21年より希望者を募り化学肥料や化学合成農薬の5割減の取組の特別栽培を始めており、他にも栽培講習会や圃場確認会(青空講習会)を開催し、品質の向上を目指しております。
82名
長芋 平成53月2日
長芋部会は、小清水という町を少しでも知って頂くため部会員自らが調理し部会長を中心に毎年冬に試食宣伝販売を実施しています。
小清水産のながいもは甘味が強くみずみずしい出来上がりで、お子様から御高齢の方まで幅広く好まれております。
12名
ブロッコリー 平成19年2月17日 ブロッコリー部会は発足当時から品質への強いこだわりを持った向上心旺盛な部会です。
取組みとしては、全戸対象の圃場巡回や産地視察を実施し、部会として北海道の安心ラベルYES!cleanに登録し部会員一同、技術向上に向け切磋琢磨しています。
16名
玉葱 平成34月12日
たまねぎ部会では、若手生産者のサークルを中心に品種比較試験やパソコンを使った施肥勉強会などを行い、技術向上に取り組んでいます。
また、平成22年より北海道が環境に配慮した農産物を承認するYes!Cleanにも登録。より安全・安心にこだわった物づくりを目指して頑張っています。
39名
豆類
(大豆・小豆)
平成14年5月21日 生産体制をより強化するため豆類耕作部会を組織しました。
大豆は生協との連携や特栽に取り組むとともに、各指導機関の協力で、現地試験や技術講習会を行っています。現在新品種への転換期で、更なる技術向上に励んでいます。
小豆はベテラン生産者が多く、大豆と合同で毎年道内外の視察や技術講習会で知識・技術の向上に努めています。
地元近隣のお菓子屋さんへの供給で地産地消を実践しています。
「生どら」は地元で大変人気のスイーツです。
130名